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2022年ウィズコロナ時代のBPOサービス市場の振り返りと、2023年以降のニューノーマル時代への備え

BPO
2022.12.27

価格高騰やインボイス制度に備えるために。2022年の振り返りとwithコロナ時代のBPOサービスについて。

来の教科書に載るような出来事が散見された2022年。目まぐるしく変化する社会に対して、BPOサービスはどのような価値を提供することができたのでしょうか。

2022年BPO市場の動向を数字とともに振り返りながら、2023年以降のBPOサービスの展望を見据えます。 

 

※ この記事は以下のような人におすすめ! ※

今後のBPOサービスの動向が知りたい。

激しく移り変わる社会情勢に対応するために、業務の効率化やコストの削減を検討したい。

2022年の出来事を振り返って、2023年に備えたい。

 

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2022年の出来事の振り返り

まずは2022年がどのような1年だったのかを振り返ってみましょう。

2022年の出来事の振り返り

新型コロナウイルスの感染者数は2022年を迎えても依然として高水準のままでした。新年を迎えるとすぐに第六波が到来し、広範な地域でまん延防止等重点措置が適用されました。

この状況を打破するため、引き続き国は各自治体に集団接種の実施を要請し、国民へコロナウイルスワクチンの接種を求めています。最近でも2022年9月よりオミクロン株へ対応したコロナウイルスワクチンの接種も始まりましたが、本稿執筆時点(2022年12月)において、依然として第八波の到来が叫ばれている状況です。

2月には世界中に衝撃を与える出来事が起きました。ロシア軍のウクライナへの侵攻です。現在も終結の糸口は見えぬまま泥沼化の様相を呈しています。ウクライナは「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれるほどの小麦の産地で世界有数の穀倉地帯であり、一方ロシアは豊富な天然資源を有し、天然ガスにおいては埋蔵量世界1位、生産量世界2位(2021年時点)というエネルギー大国です。世界のインフラを担う二国間の衝突は世界中の家計から企業まで、非常に大きな打撃を与えており2023年以降もこの影響は長期化する見込みです。

(参照:東京商工リサーチ『第2回「ロシアのウクライナ侵攻に関するアンケート」調査 ~「経営にマイナス」が50.9%、2カ月で15.4ポイント増 ~』

 

前述した二つのトピックスと比較すると小さなものかもしれませんが、2022年には多くのビジネスパーソンへ影響を与えたであろうさまざまな法改正が行われました。まず、2022年1月より「改正電子帳簿保存法」が施行されました。これにより従来、各税法上、原則紙で保存することが義務づけられていた帳簿書類について、一定の要件を満たすことを条件として、電磁的記録(電子データ)による保存が可能となりました。

また、2022年10月には厚生年金保険法・健康保険法が改正されました。これにより特定適用事業所で働くパート・アルバイトなどの短時間労働者は、週の所定労働時間が20時間以上であることなどの条件を満たす場合、健康保険・厚生年金保険の被保険者となりました。

これらの法改正は、コロナ禍によって浮き彫りになった業務の電子化の必要性や、本格的な少子高齢化社会に対応するための、全世代対応型の社会保障制度の構築を背景としており、まさにニューノーマルな時代に向けた法改正だと言えるでしょう。

このように2022年を振り返ってみると、コロナ禍や戦争による社会情勢の大きな変化に、家計や企業、国も適応していく過渡期の1年であったと言えます。

 

2022年のBPO業界の振り返り

まさに家計においても企業においても激動の1年となった2022年ですが、このような社会情勢のなか、BPOサービスはどのような価値を社会に提供することができたのでしょうか。

矢野経済研究所は2022年8月~2022年10月に国内のBPO市場を調査し、市場規模の推移を明らかにしています。

それによると、2021年度のBPOサービス全体の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比3.0%増の4兆5,636億9,000万と推計しました。

国内BPO市場規模推移予測2022

出典:矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2022年)」(2022年11月8日発表)

BPOサービスが拡大した背景は、やはりコロナ禍の影響が最も大きいでしょう。コロナ禍以降はテレワークの普及や、働き方改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を通じて業務改革に乗り出した企業が増加しました。これにより、社内人員の再配置を始めとした業務の切り分けや見直しが行われたことで、BPO市場の拡大に寄与したと考えられます。

またコロナ禍においては、例えばワクチンの集団接種会場運営や、コロナワクチンへの問い合わせ・集団接種予約代行のコールセンター、各種給付金事務局など、官公庁についてもBPOサービスを積極的に活用した事例が多く見受けられました。

 

2023年のBPO業界の展望

上述した矢野経済研究所の市場調査の予測によると、BPOサービス市場の動向は拡大の様相を呈していますが、2023年以降のBPO市場を取り巻く状況はどのような予測になるのでしょうか。

まずは、やはりコロナ禍の影響です。徐々にアフターコロナへと移行していますが、2020年以前のような生活様式に戻ることはないと言われています。それは企業の業務形態についても例外ではなく、コロナ禍によって急速に広まったテレワークによって、オフィスの縮小や転勤の廃止を行う企業も増えています。テレワーク等の多種多様な働き方を推進していくには「この業務は社員がやらなければいけない業務なのか。」「より効率的に業務を遂行できる方法はないか。」といったように、これまでの業務を切り分け・見直しを行う必要が出てきますが、この過程においてBPOサービスを検討する企業が増加したと考えられます。

また、たとえコロナ禍が収束し過ぎ去ったとしても、それと類似したパンデミックへと備える事業継続計画(以下BCP=business continuity planning)の策定が企業には求められます。万が一の際、スムーズなテレワークへの移行のために、あらかじめコア業務とノンコア業務をすみ分けし、BPOサービスを検討しておくことは、アフターコロナのBCP対策の一環として今後一定のニーズになっていくのではないでしょうか。コロナ禍を契機として生じた新たな価値観は、新たな労働様式として今後も定着していくでしょう。BPOサービスは、テレワークの導入と付随して今後も依然として高いニーズが見込まれていくことが予測されます。

(参照:総務省『令和3年通信利用動向調査の結果』

 

BPOサービス導入のメリット&デメリット、導入手順を紹介したブログも公開しておりますので、こちらも併せてご参照ください。

 

 

 

また、ロシアのウクライナ侵攻の影響も見逃せないトピックスになるでしょう。十六総合研究所が行った調査によると、「ウクライナ侵攻によりマイナスの影響を受けている」企業が58.3%、「今後受ける可能性がある」企業が19.4%と、現在から未来にかけて影響を受ける企業が約80%弱といった結果になりました。燃料価格や原材料、仕入製品が高騰する中、固定費を見直し、社内のコストカットを計る企業も自ずと増えていくのではないでしょうか。

(参照:十六総合研究所『ロシアのウクライナ侵攻と円安の影響に関する特別調査』

一つの手段として、BPOサービスはこれらの問題を解決できる可能性があります。例えば、業務量にばらつきのある特性の業務は、BPOサービスを導入することで、そこに固定費として生じていた人件費を業務量に合わせて変動費化できる可能性があります。記録的な円安の進行もあり、企業には大きな負担がのしかかっています。先行きの見えない不安定な世界情勢の中、コスト削減という目的でBPOサービスが注目される可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。

次に、新たに導入される会計処理業務の影響です。2022年は前述したとおり電子帳簿保存法の改正により、経理業務へのBPOサービスの導入が加速しましたが、2023年10月にはさらにインボイス制度が施行される予定となっています。インボイス制度とは適格請求書(インボイス)を用いた仕入税額控除の方式です。ここでは細かい制度のご紹介は省かせていただきますが、インボイス制度が導入されることで、請求書フォーマットの変更や適格請求書発行事業者以外との取引の見直しなど、非常に多くの業務が発生いたします。これらの処理により、既存の経理担当者のリソースが逼迫する事業者が増えることが予想されます。経理・会計業務の人材不足が叫ばれる昨今ですが、そこに追い打ちをかけるようにインボイス制度が施行されます。人材の不足と新たな制度新設・改正の影響により、非IT系の経理BPOについても今後継続的にニーズが拡大していくことが考えられます。

2023年のBPO業界の展望

最後に、官公庁においても引き続きBPOサービスのニーズは伸びていくと考えられます。コロナ禍において、コロナワクチンの接種、集団接種の予約コールセンターや特別定額給付金の受付事務局などのように、期間限定で集中的に実施される業務が散見されますが、このような突発的かつ集中的な新規業務も、BPOサービスを利用することで対応が可能です。コロナ禍やウクライナ侵攻による経済のダメージは未だ深刻であり、今後も国を通じた給付金事業については断続的に実施されると考られます。

また、国が今最も推進している事業の一つとして、マイナンバー関連業務があります。令和4年度末までにほぼすべての国民に行き渡ることを目指している当事業ですが、いまだ交付が完了しているのは国民の5割のみというのが現状です。政府肝いりの政策となっているため、今後も積極的な交付を行うための施策を国が用意している可能性があります。加えて、現状交付に躍起になっているマイナンバーカード事業ですが、すべての国民にカードが行き渡った後の対応を検討する必要があります。マイナンバーカードを使用しコンビニなどから証明書を発行することができるとはいえ、それが浸透するのには時間を要するでしょう。

しかし、その間にもマイナンバーカードの更新や、紛失等の対応が全国民分生じる可能性があることから自治体の窓口業務のリソースを圧迫することが懸念されます。このように官公庁の業務は、国や市民からの多種多様なニーズに応えるため複雑化の一途をたどることが予想されます。限られたリソースでそれに対応するために、公共BPOサービスは今後も広範に利用されていくでしょう。

過去のブログでも弊社が官公庁様・自治体様と取り組んだ新型コロナウイルス感染症対策・同経済対策の実績を紹介しておりますので、ぜひ、ご参照ください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。2022年を振り返り、その中でBPOサービスがどのように社会に価値を提供できたのか?来るさらなる変化の時代に、BPOサービスのニーズは今後どのような変遷を辿るのか?を考察しました。

今後どのような変化が訪れるのかを予測しておくことで、変化の波にのまれず、むしろ上手く乗りこなすことができるのではないでしょうか。本稿が、激動のニューノーマル時代を、共に乗り越えるための一助となれば幸いです。

最後に、株式会社国和システムは1982年の創業以来BPOの分野で多くのノウハウを蓄積してきました。

何かお困りごとがあれば、相談からでも結構ですのでぜひお気軽にご連絡ください。

 

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